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翔は都内の中学校の2年生だ。部活はサッカー部だが、レギュラーを取れる程ではない。父は会社員、母は専業主婦だ。
翔は家庭教師を雇ってもらっている。だが、4月から新しい人に変わった。新しい人とは仲良くやっているが、以前の岡崎先生の方がいいな。
今日は始業式だ。今日から新しいクラスで頑張る。新しい気持ちで頑張ろう。
と、翔はある女を見つけた。先月まで僕の家庭教師だった岡崎先生だ。まさかここでまた会えるとは。
「岡崎先生!」
翔の声に気付き、岡崎先生は驚いた。まさか、先月で別れたのに、また会えるとは。
「久しぶりね、翔くん!」
「まさか、帰ってくるとは」
岡崎先生は笑みを浮かべた。すると、翔も笑みを浮かべた。
「英語の先生になって、また帰ってきちゃった」
「ふーん」
翔は何も感じていないようだ。それは偶然だ。あんまり気にしていない。
「先月別れたばかりなのに」
「まぁ、いいじゃないの」
「そうだね」
と、そこに友人の中村がやって来た。翔と岡崎先生の会話に興味を持ったようだ。
「どうしたの?」
「この岡崎先生、先月まで僕の家庭教師だったんだ」
中村は驚いた。まさか、新任の先生が翔の家庭教師だったとは。
「そうなの?」
「うん」
それを聞いて、中村は岡崎先生に聞きたい事があった。翔はどんな子供なのか、聞きたいな。
「ねぇねぇ、山本くんって、どんな子だった?」
「とても一生懸命な子だったね」
確かにそうだ。翔はサッカーも勉強も一生懸命にやっている印象がある。
「ふーん」
「これからまたよろしくね」
「うん」
岡崎先生は職員室に向かった。その様子を、翔と中村はじっと見ている。
翔は家で昼食を食べている。今日は午前で終わりで、家には母がいるが、父は仕事でいない。
「そっか、岡崎先生が英語の先生として帰ってくるとは」
家での話題は、岡崎先生の事だ。先月まで毎週日曜日に来ていた岡崎先生が、まさかここに来るとは。
「びっくりだね」
「先月別れたばかりなのに、また会えるとは」
母は喜んでいる。岡崎先生はとても優しい先生だった。自分も翔も別れるのを残念そうに思っていた。
「まさかここにまた来るとは」
「何はともあれ、これからもよろしくだね」
「うん」
そう思うと、食欲が増す。これからもまた一緒にいられるからだ。
その夜、父は居酒屋にいた。今週1週間の仕事を終え、今日は居酒屋で疲れを癒そう。居酒屋にはいつもの夜より多くの人が来ている。その中にはちらほら女もいる。
「今日も1週間、お疲れ様でしたー!」
「カンパーイ!」
「カンパーイ!」
父は職場の後輩と飲んでいた。その中には、今月に入社した新人もいる。今週頑張ったごほうびだ。
「今週も疲れたけど、飲んで癒そうや!」
「うん!」
と、父はカウンター席に1人の女性がいるのに気づいた。岡崎先生だ。まさか、ここで会えるとは。
「あれっ、岡崎先生!」
その声に反応して、岡崎先生は反応した。岡崎先生は驚いた。翔の父だ。先月、別れたのに、また会えるとは。
「あっ、山本さん!」
「まさか、ここで会うとは」
岡崎先生は少しいい気分になっている。すでに生中を1杯飲んでいる。
「今週1週間終わったんだから、飲もうと思ったの」
「ふーん」
父は生中を飲んだ。これで2杯目だ。少し酔ってきたが、まだ飲もう。
「最初の1週間、どうだった?」
「大変だったけど、子供たちと交流できて、楽しいわ。あと、翔くんの中学校に着任したの」
それを聞いて、父は驚いた。まさか、翔の通っている中学校に着任したとは。こんな偶然はあるんだろうか?
「えっ、本当に?」
「うん」
そこに、店員がやって来た。店員は生中を持っている。誰かがメニューを追加したようだ。
「お待たせしました、生中です」
注文したのは、岡崎先生のようだ。
「ありがとうございますー」
それを見て、父は飲みかけの生中を掲げた。乾杯をするようだ。
「こっちもカンパーイ!」
「カンパーイ!」
席は違うが、岡崎先生も乾杯した。今日は仕事を忘れて、飲もうじゃないか。
「大変だったけど、飲んで気持ちをリセットさせようよ」
「うん」
先月別れたけど、また会えるとは。今年度は翔のクラスの担任じゃなかったけど、いつかは担任をしてみたいな。
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