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春香は完璧な少女だった。5年生までは別のクラスだったが、春香のことは知っていた。勉強や運動ができるだけではなく、優しい人柄はクラスの皆に慕われ、学級委員もしていた。もちろん、先生からも信頼されていた。
5年生で同じクラスになり、春香のすごさを近くで見ることになった。春香は私のように友達がいないクラスメイトにも気を配り、孤立させないようにしていた。春香のそんな行動に感化され、クラスはまとまった。春香がいるおかげでクラスはとても平和だった。
私はそんな春香に憧れていた。それと同時にどこか、もやもやとした気持ちを抱いた。
それは自分でも上手く表せない感情だった。
「家に遊びに来ない?」
春香は連休前に私にそう言った。
「いいけど、私の他には誰が来るの?」
「加奈だけだよ」
「え…」
「加奈に話したいことがあるんだ」
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