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それから、何回か春香とミーナと遊んだ。私は見えないミーナに話しかけた。最初は慣れなかったけど、だんだん、上手くできるようになった。その様子に春香は嬉しそうだった。
「ミーナ、喜んでいるよ。新しい友達ができたって」
春香をおかしいなんて、私は思わなかった。おかしいのは本当の春香に気が付かない周囲だ。春香はミーナがいることでバランスをとってきたのだ。ミーナがいるから春香は完璧でいられるのだろう。
春香は周囲の期待に応え、私立の難関中学に合格した。
「また、遊ぼうね」
春香はそう言ってくれたが、それが実現することはなかった。
春香は死んだ。入学式の日、学校の屋上から飛び降りたのだ。
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