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パークラと追放処分
俺ことソーマ=イグベルトが所属するギルドには、王都で最も将来を期待されている新進気鋭のパーティーが存在する。
そのパーティーの名は、サラーナヴェスベルク団。
騎士団に所属していた元女騎士サラーナをリーダーとした、ほぼ女性で構成されたパーティーだ。
サラーナヴェスベルク団の……俺の目的はただ一つ。
冒険者ランクをSにする事。
これだけだ。
そして現在のランクは全員A。
目標達成まであとひと息という所まで来ている。
いや、来ていた筈だった。
この問題が起きるまでは。
「ソーマ=イグベルト。 本日よりお前をサラーナヴェスベルク団から追放処分とする。 これが最後の取り分だ、取っておけ」
サラーナさんは眉間に皺を寄せながら、銅貨袋を手渡してきた。
こうなってしまった理由はわかっている。
何もかも全て俺のスキルが……俺が悪いんだ。
「……今までお世話になりました、サラーナさん」
「すまないな、ソーマ。 私個人としては最後まで行き着きたかったのだがな、約束した高みへお前と共に。 その気持ちは今でも変わっていない。 だがこのままでは……」
視線に釣られメンバー三人の顔を見渡すと、誰も彼もが苦しそうな表情を浮かべながら目尻に涙を浮かべている。
「わかってる。 夢まであっと一歩の所まで来てるからな、こんな事で何もかも台無しにする訳にはいかない。 ここまで頑張ったんだから。 ……だから、これで良いんだと思う。 俺が居なくなる事で上手く回るなら、それで」
「…………そうか。 わかった、なら私もこれ以上は何も言うまい。 お前達も、それで良いな」
サラーナさんが尋ねると、左右から歯軋りや拳を強く握る音が聞こえてきた。
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