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「ふふ、それだけ兄さんがもたらした功績と情報は有益だったという事ですよ。 これで大臣達もあの男も、暫くは大人しくなるでしょう」
「あの男? 大臣ども以外にも、マリンの椅子を狙ってる奴が居るのか?」
「ええ、まぁ」
ふむ、あまり首を突っ込まない方がよさそうな感じだな。
政治に巻き込まれるほど、厄介な事はない。
聞かなかった事にしておこう。
「……おし、じゃあ俺はそろそろ帰るわ。 もうすぐ日が落ちそうだからな。 あいつらにどやされちまう」
「了解しました。 では城門までお送り致します。 姫様はどうされますか?」
「もちろん僕も行くよ。 当然じゃないか」
「おいおい、良いのかよ。 魔王様が見送りなんかして。 立場とか、あるんじゃないのか?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ! なんたって僕は自分のしたい事は絶対やる、強欲の魔王だからね! 誰にも文句は言わせないさ!」
そこまで言うならこちらも文句は無い。
好きにさせておくとしよう。
と、俺はマリンの後に続いて執務室を後にした。
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