【台本】恋愛相談

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
男:2 清明「少々不本意だが、僕の悩み、聞いてくれるかい?」 凪都「不本意なら俺に相談してくんな。殴られてーのか?」 清明「はぁ……。世の女性は、なんでこんな短気な男に惚れるのか……」 凪都「この野郎……! まぁいい。んで、片想いの彼女のことか?」 清明「……君、そういう時だけ鋭いな……」 凪都「やっぱりな。進展は? 何かあったから悩んでんだろ?」 清明「進展は……あったんですけどねぇ……。ねぇ、凪都くん。女性の言う『君は特別』って、どこまで信じていいんですかね?」 凪都「特別って言われたのか!? やったじゃねえか! 絶対脈アリだって!」 清明「そうは思えないから悩んで……それでもどうしようもないから、こうして君に相談しているんだろう」 凪都「いちいち気に障る言い方しやがって……!」 清明「昨日、いつものように、お茶に誘ったんです」 凪都「聞けよ」 清明「いつものように談笑して、来月の日曜日に、出かける約束をしたんです」 凪都「ほーん。奥手なお前にしては頑張ったな」 清明「でしょう? 話している最中、ずっと曖昧な関係なのも嫌だと思って、別れ際に告白したんです」 凪都「おぉ! んで?」 清明「『君は特別な人だよ。だけど、まだ学生でしょ? 社会人になっても私のこと好きだったら、デートに誘って』って、頬にキスされました」 凪都「なんだよ、未来の予約されてんじゃねーか! 何ウジウジ悩んでんだよ」 清明「……凪都くん、よーく考えてください。あの彼女ですよ? 天然人たらしの彼女ですよ?」 凪都「あー……うんうん……」 清明「やめてくださいよ、その反応。虚しくなる……」 凪都「悪い悪い。これはあくまでも俺の解釈だけどよ、お前に気を遣ってそんなこと言ったんじゃないか?」 清明「というと?」 凪都「なんで分かんねーかな……。いいか? お前は学生で、向こうは大人。学生の恋人が大人だったら、親はいい顔しねーだろ。特に、お前ん家はよ」 清明「確かに……」 凪都「だから『社会人になってからお付き合いしましょう』っていう、彼女なりの遠回しのメッセージだったんだろうよ」 清明「なるほど、そういう考え方もあるんですね。君に相談して良かった」 凪都「どうだ? 少しは見直したか? 師匠って呼んでくれてもいいんだぜ?」 清明「あ、それはない」
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!