雨に祈れば

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 いつも座席数を考えずにチケットを売っているらしく、出発直前になって次の便しか乗れないとわかったのだ。  バスがないなら宿泊をと思ってもすでに深夜、どこも泊めてくれるところがない。  この寒い中で野宿しかないのかと思うと考えるだけで怖かった。  僕たちが困っていると、運転してきたバスの運転手が家に泊めてくれると言ってくれた。  見知らぬ人の家に泊まるのは少し不安もあったが、ありがたく泊めてもらうことにした。  行ってみると家というには狭すぎて、とても寝かせてもらえる雰囲気じゃない。  三人ぴったりと引っついて眠るのは勘弁してほしいので、どうしたものかと考えていたら、シーツと毛布を渡され、牛小屋に案内された。  わらの上にシーツを広げ、毛布を掛けて寝ろというわけだ。  最後に枕だとバスタオルを渡されたが、牛のニオイがきつくとても眠れるとは思えなかった。  とはいえ寒さをしのげるだけで十分ありがたいので、いわれた通り毛布にくるまったが、疲れていたためか予想外にすぐ眠りにつくことができた。
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