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プロローグ
やっぱり、今日も君はひとりだったね。
元々兄弟のいない君は、小さい頃お母さんとよく一緒に公園へ来ていたけれど、小学校に上がってからはいつもひとりだった。日陰でしゃがみ込み、少し太めの木の枝で地面に絵を描く毎日。
その小さな背中はひどく寂しそうに見えた。
だからぼくは思わず声をかけたんだ。本当はずっとそばで見守っているつもりだったけど、君が悲しいとぼくも、そしてお母さんも悲しむから。
少し寂しいけれど、君が悲しいままなのは嫌だったから、ぼくはその日勇気を出して声をかけたんだ。
いずれ別れが来ることをわかりながら――……。
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