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6. 地固まる
帰り際、光に呼び止められた。
「雨乞いを必要ないみだいに言ってごめん。やっぱ岬はすごいよ。言ったごどを、本当にするんだがら」
「ありがとう、光。私ごそ酷いごど言ってごめん。あと、悩んでだのに気づがなくてごめん」
「いいよ、私も迷惑かげるど思って話せながったし」
「迷惑じゃないよ。これがらは、何でも話してね」
光は頷いて、仲直りだねと笑った。うん、と私は頷いた。
「光の人生は、光のものだよ。やりだいごどをやればいい」
「そうだ」
駅長さんが頷いた。
「私は今凄ぐ幸せだ。自分で選んだ道が間違いじゃながったど思えるような人生が、一番いい」
光の頬がふっと緩んだ。
土砂降りで身体はびしょ濡れだけど、心は晴れていた。
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