噂の俺ら

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噂の俺ら

いつもの喫煙所 『あ、おう…比山課長!』 ほらまた、綺麗な顔 「おう、羽水…」 キョロキョロと人がいない事を確認すると 「悪い…ちょっと充電…」 ギュッと抱きしめた俺の腕の中でジタバタする人 『ちょっ、桜士郎!誰か来たら…』 「いいんだ…もう、隠すのはやめだ」 『えっ?誰かにバレたの?』 「いや…つい、な…アンタが好きすぎて漏れた」 『ふ…ふふっ、そっか』 「悪い」 『いや、別に桜士郎がいいなら俺は構わないよ?どうせダダ漏れなんだろ?』 「まぁな」 『大々的に発表はしないけど…こうやって噂になるってちょっと楽しいな』 「そうだな、好きに言わせとくか」 『でも、それでも桜士郎に近づくヤツがいたら…容赦しないから』 ゾクリ この顔も好きなんだ 俺の事が好きで 見せる嫉妬の顔 俺もあんまり変わらないか 『どうしたの?』 「なぁ紫…一緒に暮らさないか」 『え…?』 「アンタを、俺の一部に組み込みたいんだ」 『桜士郎…なにそれ、カッコよすぎ…』 「【イエス】か【はい】のどっちかだ」 『ふふ…桜士郎、愛してる、大好き』 人のいない喫煙所で ふたりだけで 静かに 誓いのキスをした END
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