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無遠慮な人
翌日から
『おはよう、比山!』
「っ…おう、羽水」
ザワザワ…
営業フロアのど真ん中
仕事ができて、優しくて、美しいと
いわゆる【高嶺の花】
そんな羽水が、色気たっぷりの笑顔で
強面イケメンの俺に手を伸ばさなくても届く距離で
『また、後で』
【ちょっと!比山課長!何ですかアレ!また後でって!】
「永山?何って…ただ挨拶だろ?」
【イヤイヤ、そうか…比山さんイケメンだから美人に耐性あるんですよね?あの笑顔ヤバくないですか?男なのにクラクラします】
「はぁ?何言ってんだ、朝礼始まるぞ」
ドクンドクン
耐性なんて無い…
見る度に思う
美しいだけでビビるのに、あの笑顔はズルい
挨拶しただけでザワつくなんてアイツぐらいだろ
【比山課長!昼、出ますね】
もう昼か
『比山課長』
「ん?あ、羽水」
『お昼、ご一緒にいいですか?』
ザワザワ…
まただ…
「ああ、行こうか」
【あの…課長?】
俺の課の係長、光本。コイツは女性で美人
そうか…羽水目当てか
「何だ?光本」
【あの…私もご一緒しても?】
俺は羽水を見る
ゾクっ
『すみません、比山課長と大事な話があるのでご遠慮頂きたいのですが』
「だ、そうだ。悪いな光本」
【いえっ、失礼します】
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