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「俺も…その中の一人になれればなって思っただけなので…」
『……』
「いいんです、好きって言えたから。もう近づかないので安心して下さい」
『アンタ…二課の課長だろ…』
「はい、二課の羽水(うすい)です」
『うすい…名前は?』
「紫(むらさき)」
『うすいむらさき…綺麗な名前だ』
「はい、ありがとうございます。貴方も素敵ですよ?比山桜士郎(ひやまおうしろう)一課課長」
『では、失礼します』
「ああ、どうも」
去って行く後ろ姿を眺めながら
火を付けて吸わないままのタバコを揉み消す
「びっくりした…」
もう一本取り出したタバコに火を付ける手が震えていた
【お、比山さんお疲れ様です】
「お疲れ、永山」
俺の部下
【どうかしました?手、震えてますよ?】
「何でもない…お前、二課の羽水知ってるか?」
【ええ、俺、一課に移動になる前一緒でしたよ?】
「どんな奴?」
【あー、一言で言うとロボットです】
「何だそれ?」
【仕事は完璧、優しい、男前…まぁ、あの見てくれのせいで大変だったらしいですけど…】
「何かあったのか?」
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