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綺麗な人
いつもの時間
ただタバコ吸って午後の仕事の予定を考えるだけの時間だったのに
ドアを開けて、ぐるっと回った所にベンチがある
今時紙タバコ吸ってる奴が珍しいから、灰皿の周りだけ誰もいない
今までは
でも今は
「羽水、お疲れ」
『あ、お疲れ様です、比山課長』
「あんたいくつ?」
『32…ですけど』
「年上かよ…俺は30、だから敬語は無し。同じ役職だから、俺の事は比山でいい」
『うん、わかった。嬉しいな』
「何が?」
『比山…とこんなふうに過ごせるなんて』
羽水が首を傾げて微笑む
クソ…いちいち可愛い顔するなよ
「ただ…タバコ吸いにきてるだけだろ」
『そうだけど、今までは見てるだけだったから』
「アンタなぁ…そんな顔、みんな勘違いするだろ」
『だって好きだから、君のことがとても…もう知ってるだろうから隠さない』
「っ…そうゆうの、やめろって」
『ふふ、照れてんの?モテモテ比山課長?大丈夫だよ?君とどうこうなりたいなんて思ってないから』
「だったらっ…」
『ただ、君のことが大好きなウザい美人がいるって知っておいて』
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