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【比山課長、また女の子泣かしたんですか?】
部下の永山がコソッと耳打ちしてくる
「知らねぇな…」
【全く…そのうち刺されますよ?】
「永山、そんな事冗談でも言うな」
俺はチラリと羽水の方に目をやる
【はいはい、全く…課長の事、あちこちから根掘り葉掘り聞かれて困ってるんですよ?】
「本命ができたと…だから二度と近づくな、そう言っとけ」
【えっ!はぁ!比山課長…に本命が…】
「まだ…だがな…」
【恋っ!してるんですね!】
「アホ、大声出すな…」
【俺、嬉しいです。ついに比山課長がっ】
「もういいから、さっさと仕事しろ」
ったく…俺が恋…だと…?
誰に?
そんな相手はいないはず、作らないはず
なのになぜ…こんなにもあの人の笑顔が頭から消えないんだ
アホらしい
ただ…さ
俺がまた遊んだと、あの人の耳に入ったら…
悲しむ…かもしれないだろう?
俺の事が大好きだって
「っ…」
バカか…何であの人の心配…
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