Void

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 ――さや乃はどうだろう? いつまでも共にありたいと、どこまでも共にありたいと、どれほど思っていたのだろう?――  だがヒサは、今なら思うのだ。  ――魔に堕ちずに良かった。気が動転して後を追わなくて良かった、お救い出来てなによりだった――と。  最期に隆二(槐)がさや乃に言った『健やかに』と言う事葉、ヒサもそれを強く願っている。  とかく人は脆く弱い。が、また強かにしぶとくしなやかだ。  夏に枯れ、多くの草木が枯れ果てる冬に芽吹く緑があるように、こんな時こそ、強かに健やかに芽吹いて欲しいと思うのだった。            ――乃東生 なつかれくさ しょうず―― 了
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