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誕生日会
「ライラス、14歳の誕生日おめでとう。」と花束とプレゼントを渡した
「ありがとう、ティア。開けてみてもいい?」と聞かれる
最近大人びてきたと思っていたが、プレゼントにワクワクしている姿はまるで子供のようで微笑ましく思う
「えぇ、いいわよ。開けてみて」
「あぁ、っ…!ティア、ありがとう!」と満面の笑みを浮かべ喜んでくれた
そう、渡したのはループタイ。光の加減では緑にも黒にも見える不思議な宝石で私たちの瞳の色と同じなのだ
「これ、緑にも黒にもなる…俺たちの瞳の色かっ…!」と嬉しそうにしてくれる姿が嬉しかった
そのあとは弟のオーギュストからライラスへプレゼントを渡したりなどしていた
(私がいては邪魔よね。)と思い、席を立つ
アリストロス邸は侯爵家の名に相応しくとても広い。ライラスの母君ルナーラ様は花がお好きならしく庭園は美しく整えられており、どの季節も見応えがある
「ティア!」不意に名前を呼ばれ振り返るといたのはライラスだった
「ライラス!あなたは主役なんだから抜け出してきちゃダメでしょ?」
「大丈夫だよ。親族とかしか呼ばない小さなパーティーなんだから。それより、ティアに話したい事があって……」と下を俯いた
「?、わかった。」と返事をし、ライラスについていく
ついたのは庭園のど真ん中。薔薇に囲まれた噴泉が美しく水面に薔薇の赤やピンクが写っていた
(何かしら…ずっと下を俯いているし…もしかして婚約破棄したいのかしら?もう14歳だもの。好きな人がいてもおかしくないわ)
政略的な意味で結ばれた婚約を他に好きな人ができたからという理由で破棄するのは良い目で見られないが、私たちには歳の差がある。
皆ライラスに同情するだろう
(ちょっと、悲しいわよね…)
「ティア…」と頬を赤くしたライラスは緊張しているように見えた
「何かしら?」
知らないふりをして笑みを浮かべた
(気づいていないふりしてあげたほうがいいわよね)
ライラスの口から紡がれた言葉は意外なものだった
「エルティア、好きだ。俺が学園を卒業したら結婚しよう。」と
「え…?」
全く予想していなかった言葉に驚いてしまった
「い、いやか…?俺、4歳も年下だし、頼りないのはわかってる。けど、ティアがどうしようもないほど好きなんだ…」と言われ、嬉しさから涙が溢れてしまった
「ううん、ライラスは頼りなくないわ…嬉しい…4歳も離れている私でもいいの…?」
きっと馬鹿にされる。
「ティアがいいんだ!歳の差はあるかもしれない。けど、そこがいいところだと思うし、歳の差があったて、俺はもうティアの身長に追いついているし。」と頭を撫でられる
少し前までは撫でていたのは自分なのに不思議な感じがした
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