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それから、色々な話をし、夜会は終わった
ダレンはどうやら妻子がいるようで、惚気がすごかった。
まるで、お父様のがお母様の惚気をいろいろな人たちに話している様子と重なって見え、なんだか微笑まく感じた
「エルティア、夜会はどうだったか?」とフェリクスが帰りの馬車の中でそう問いかけてきた
返答はもちろん、
「楽しかったわ。」だ。
「有意義な話もできて。やっぱり、商人の方の視点の話を聞くと面白いわね!全然思いつかないようなことばかりだったわ」
「そうだな。俺もよく驚かされるよ。……そういえば、五日後学園祭なの覚えてたか?」
「あっ、五日後だったけ…?」
完全に忘れており、ダレンと話し合いの約束をしてしまっている
おそらく五日後に場を設けるはずだ
(私は話し合い出来なさそうね…まぁ、お父様に頼めば大丈夫だろうし…)ひとまずダレンのことは大丈夫だろう。しかし、ライラスが来てくれと言った学園祭が不安でしょうがない
「不安か?」
「えぇ……」
(フェリクスと違う意味でしょうけど……)
「大丈夫だ。ただ…」
「ただ…?」
深刻そうに俯いたフェリクスを見て、何か大変なことでもあっただろうか、とまた別の不安が出てきた
「トロフィー授与どうやってやるんだ…?てかもらったかどうかも覚えてないんだが…。」
「…正直私ももらったか覚えていないわっ………」
確かに言われてみれば、授与された記憶がない気がする
「「歳か………」」とハモってしまった
「「ハモらないでくれ(ちょうだい)」」
「プッ、アハハハハ」
「クッ、ハハハ」
「あぁ、もうハモリすぎっ!それにまだ歳のせいだと思いたくないわ。記憶力のせいだと………」
「同じじゃないか?」とフェリクスの最もなツッコミが入った
(あぁ、やっぱりフェリクスといるのは楽だな…)
好きだからこそ、ライラスには素の自分を出せないでいる。側から見れば、きっとライラスのことを信用していないみたいだろう
馬の嘶き声が聞こえ、馬車が止まる
「付いたのね。ありがとう、フェリクス。今日は楽しかったわ。」とお礼をつげ、馬車を降りた
「いや、俺も楽しかった。」とフェリクスが微笑んだ
(うぅ、やっぱり美男子だわ……耐性がない令嬢とか倒れてしまいそうよ…)なんて下らないことを考えてしまった
「また、五日後に」
「あぁ。」
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