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フェリクスと共に談笑していると、一人の男性が駆け寄ってきた。
フェリクスは紫黒の髪を揺らし、エルティアを庇うよう前にでる。
この場で自分が一番強く、他者を守る力をあると理解しているからである
エルティアは幻影魔法で魔力を消費しており、自分が守らなくては!と息を巻いていたところ、男は花束を差し出した
そう、フェリクスに。
最初はエルティアを恋慕う者か、そう思い身を引こうとするが
男はフェリクスの腕を掴み、
「君に一目惚れしましたっ!どうか僕と交際してくださいっ!」と
その瞬間、エルティアを含むクラスメイトたちは突然の出来事に理解できていなかったが2秒後にはFirstクラスの頭脳を駆使し、理解し、吹いた
流石に真剣な男の前で大笑いするのは酷かと思い、堪えながら。
「いや、俺は男だ…」とフェリクスはドン引きしており、エルティアの助けを求めた
もちろんエルティアそっぽを向き知らんぷり
男は、
「君に一目惚れなんだ…この哀れな男を助けてください」と瞳を潤ませた
「いや、だから俺は男だと………」
「いいや、君はどこを見ても女性だっ!」と聞く耳を持たない
フェリクスは思考を巡らせた。どうすれば男は信じてくれるのか。
二つ方法があるが、一つはエルティアに負担をかけることになってしまうし、もう一つは人間の尊厳を失いそうだ
(幻影魔法を解いてもらうという手段もあるが、それはエルティアに負担になる………)
幻影魔法はかける際に多大な量の魔力を消費するが、持続するための魔力はほとんどないと言っても過言ではないほど少ない
そのため、魔力切れを起こすようなことはないが、エルティアは自分自身にもかけているため魔力は今少ないはずだ
(魔力切れは命にも関わるからな………それはできない)
もう一つは…ーー
男であると証明するあの部分を晒すこと。しかし、人間としての尊厳は失われるのである
(詰んだ…)そう、表現することしかできなであろう
(いや、一つだけある…!!)フェリクスは喉を揺らした
「お願いだぁ…」と懇願する男の元へしゃがみ、耳元で囁いた
「ーーーーーーーーーーーーーーー」と
「ひいぃ!結構ですぅ〜〜!」と男は去っていった
男の異常に怯えた様子にエルティアたちは不思議に思ったのだった
こうして男の撃退は終わったが、まだまだフェリクスには困難が残っていたのだった
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フェリクスが男に囁いた言葉は強制非公開を喰らいかねないので、またの機会に…
もしかしたら、コメントに載せるかもしれません。
(「なんて言ったか知りたいよ」という方がいらっしゃったらですが)
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