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プロローグ
「可愛い…」
彼と初めて出会った時、口からそう漏れ出た
可愛いと言われて嫌だったのか、拗ねたように頬を膨らました
そんな姿でも可愛いなんて言ったらきっと怒っちゃうわね、
陽の光に当たると美しく輝く銀髪にパッチリとした黒曜石のような瞳
自分よりも4歳年下の彼はまるで弟のようだった。
なのに、いつからだろう。
弟と思っていた彼を好きになったのは。
「ティア」と愛おしそうに見つめられては恋に落ちてしまうのも仕方ないのかもしれない。
「エルティア、好きだ。俺が学園を卒業したら結婚しよう。」とライラスが14歳の誕生日に言われた時は嬉しくて涙を流してしまった
けど、貴族で女性が歳上なのは良しとされない。
だからなの?
「あんな年増は嫌いだ。近々婚約破棄するから待っていてくれ。」と学園の同級生と話しているのを聞いてしまった
ーーごめんなさい、気付けなくて。
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