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ここには、高齢の方や、ガラの悪いおじさん、まだまだ歯すらまともに生えていない赤ちゃんもいた…。
みんな血だらけだったり腕がなかったり大きな傷を抱えていたり、何もなかったような顔で立っている人もいる。
でも、やっぱりここは地獄なんだと思った。
「あのぉ…、ここどこですかぁ?」
一人の女が口をあけた。ふわりとしたウェーブのセミロングの髪にところどころピンクのメッシュが入っている。口元に優しげなピンクのリップ、アイラインはタレ目になるよう引かれている。そして、胸元が見えそうな透けた服を着ている。第一印象は男好き、そうしか思えなかった。
「ここは地獄だ見ればわかるだろ」
さっき、起きろ!と大声を出した鬼が答えた。鬼と言っても人間のようで、ツリ目でショートカットで、角が生えただけだ。
「私帰りたいですぅ!!」
ふわふわウェーブが言った。
「口を開くなァァァ!!いいか、よく聞け!お前らは地獄に落ちた。つまり御悪人だ。そんなやつらの話など聞かん!!」
耳の鼓膜が震えるほど大きな声だった。
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