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Prologue〜毒吐く女〜
「女は総合芸術。いろいろな引き出しを持っている女はモテる」
動画アプリで偶然目にした、スピリチュアルでとっても有名な、とあるご意見番のお言葉がグサグサと刺さる。
引き出し。引き出しですってよ。
いつか巡り会えるであろう、私の未来の旦那さま。いつになったら会えるんでしょう?
あといくつ、引き出しを増やせっていうの?注文多くないか?何で?何で女ばっかりこんなに頑張らないといけないの?
私が知らないだけで、男も頑張ってるわけ?私の為に頑張ってくれる、ナイスガイはどこにいるの?え?ナイスガイって言葉古いって?知らんわんなもん。いいじゃん。私の人生はね、私が幸せになる為に存在してるんです。ちょっとぐらい古い言葉使ったっていいじゃない。
定期的に開かれる、女子会。いいけどさ。行くけどさ。彼氏がいない時の女子会って、ただひたすらにマウント喰らわないといけないという、意味のわからないこの世の掟。何なん。彼氏がいないって、そんなに下に見られないといけないわけ?
マウント取ってくる子に限って、その彼氏って私から見たら全く大したことの無い男だし。そんな不細工と手を繋ぐとかキスとかその先とか吐くわ。無理。無理無理無理。
え、ちょっと待って。その不細工彼氏と付き合ってる私の友達(仮)ってある種の仏なの?ある種のボランティアなのか?そうか。善行をしていたのか。マウント喰らわされて不愉快極まりなかったけど、世の為人の為になっていたのね。うん、私はまだまだ修行が足りないみたい。
運命の出会いまで、あとどのくらいなんだろう──?
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