【第一章:離れても?】

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 俊也の自宅マンションは1LDKで、一人住まいとしてはかなり余裕がある方だとはいえ寝室として使っている部屋は約七畳大だ。  流石にダブルベッドは存在感があり過ぎる。  私室として使えるのは一つで、「寝るだけ」ではなく収納もすべてその部屋で賄う必要があった。  衣類と季節外れの寝具その他は作り付けのクローゼットでどうにか用は足りるが、ダブルベッドを導入したら本棚と合わせて床の大半のスペースが埋まってしまう。  それ以前に、クローゼットの扉は観音開きなので開閉に障りが出そうだ。  リビングルームに食卓があるので、PC作業はそちらでできるためデスクまでは不要なのがせめてもの幸いか。  相当迷った末にセミダブルで手を打ったのだが、少なくともシングルとは比較にならない快適さは手に入れた。  二人とも特に大柄ではないというのもある。  光は平均程度の身長で、俊也は身長は高い方ではあるものの、ふたりとも細身の範疇だ。  俊也は今も日常的にサッカーを続けていることもあり、筋肉で体重は見た目よりは重いのだが「巨漢」とは程遠い体型だった。
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