みんな同じ

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 フローリング調の床に、壁にはめ込まれたいくつもの大きな鏡。  そしてその鏡の前にはゆったりとしたスタイリングチェアがそれぞれ配置されている。  どこからどう見てもごく普通のサロンだ。 「いらっしゃいませ」  右半分の髪がライオンのたてがみのようにふさふさと立ち上がり、左半分のスキンヘッド部分に幾何学模様のタトゥーが入った店員が恭しく頭を下げる。 「予約した沖田(おきた)です」  瑠璃乃っちはそう言うと、検索しておいた裏サロンのパスワードを手のひらに表示させる。  ライオン店員は目を細めてそれを確認してから、「どうぞ」とカウンターの奥にある扉を指し示した。 「じゃ、行ってくるね」  にこやかに扉の奥に消えてゆく瑠璃乃っちに私は小さく手を振った。
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