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 フィングストローゼは茎が長く先端に花を咲かせ、葉に切り込みがない草本性だけれど、ペオーニエは花茎をあまり伸ばさず咲き、葉に3つの切り込みがある木本性だ。  だけど、ぱっと花だけを見てどっちがどっちか見分けるのは難しいだろう。 「今はわからなくて当然だけど、でもずっと花に触れているとその内わかるようになるよ」 「本当ですの?! だったらわたくし、このお店で働きたいですわ!!」 「はっ?!」  私は突然の申し出に驚いた。確かに自分の子供に手伝わせるお店もあるけれど、フィーネちゃんは私の妹どころか貴族令嬢なのだ。  そんなフィーネちゃんを働かせるなんて出来るわけがない。 「いやいや! それは流石に無理でしょ!! 貴族のご令嬢にそんな事をさせるわけにはいかないよ!」  不敬罪で捕まりたくないし、何よりご家族だって許可しないだろう。慌ててお断りする私に、フィーネちゃんはすごくガッカリしている。 (……くっ! そんな顔して頬を膨らませるの反則……っ!!)  自分では真っ当なことを言っているつもりなのに、ものすごく意地悪しているような罪悪感が湧いてくる。
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