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他人の私でもこうなんだから、フィーネちゃんのご家族だったらもっと焦るかもしれない。フィーネちゃんには望みを叶えてあげたくなる不思議な魅力があるのだ。
「そこを何とかお願いしますわ! もちろん賃金は頂きません!!」
「ええーーっ!! いやいや、そういう問題じゃないから!!」
意外なことにフィーネちゃんは諦めること無く、再び懇願してくる。
そこまでして私のお店で働きたいと言ってくれるのはすごく嬉しいけれど、ここは心を鬼にしてでも断らなければならない。
可愛いフィーネちゃんを傷つけること無く断る方法はないものかと考えていると、救いの手を差し伸べる人物が現れた。
「っ、アンちゃんごめんね! うちの妹が迷惑をかけなかった?」
急いで用事を終わらせてきたのだろう、ヴェルナーさんが息を切らしながらお店に駆け込んできた。
「あっ! ヴェルナーさん、お疲れさまです! 取り敢えず冷たいクロイターティ飲まれますか?」
「はぁ、はぁ……っ、え、いいの? じゃあ、お願いできるかな?」
「少々お待ち下さいね」
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