20

4/8
426人が本棚に入れています
本棚に追加
/331ページ
「……それは大変でしたね。お休みの日に呼び出すって、かなり重要なお話なんですか? ……あ、機密事項だったらすみません!」  思わず気軽に聞いてしまったのを慌ててお詫びする。  騎士団の内情とか、花屋の私に関係があるはず無いのについ聞いてしまった。 (ジルさん絡みかと思うと気になっちゃうんだよね……。また遠征にでも行くのかな……) 「ああ、大丈夫だよ。フロレンティーナ王女殿下とローエンシュタイン侯爵の婚約式の件だから」  ジルさんのことを考えていると、すっごく聞き慣れた名前が飛び出して「えっ?!」と声を出して驚いてしまう。 「フロレンティーナ王女殿下……と、え? 侯爵……?」 「そうだよ? ローエンシュタイン侯爵は魔術師団長も務めていらっしゃる方でね。うちの団長とも幼馴染でよく顔を出してくれるんだけど、とても気さくな方なんだ」  ヴェルナーさん曰く、騎士団と魔法師団はお互いをライバルとして見る傾向にあって、基本仲が悪くなる場合が多いらしい。  だけど団長が幼馴染同士で仲が良いので、今の騎士団と魔法師団の関係は良好なのだそうだ。
/331ページ

最初のコメントを投稿しよう!