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「うむ。いい香りだな」
収穫するだけでクラテールの爽やかな香りが広がって、とても食欲を刺激される。
「この2つのクラテールとトマーテに、ブーファラのモッツァレッラを使ったサラダを作ろうと思うんですけど……苦手なものはないですか?」
「苦手なものは無いから大丈夫だ。……楽しみだな」
ジルさんが嬉しそうに微笑んだ。本当に楽しみなんだなってよくわかる笑顔だ。
クラテールを収穫し終え、キッチンに戻った私はパンに目玉焼き、ヴルストを焼いてお皿に盛り付ける。
その隣にサラダとヒューナーズッペを添えると、とても豪華な朝食になった。
「これは……すごく美味そうだ」
見かけによらず、食べるのが大好きなジルさんが目を輝かせている。その反応に私は心の中でガッツポーズをする。
「普段はもっと質素なんですけど、今日はジルさんが一緒なので張り切ってみました」
ちょっと自慢気に言っているけど、ヒューナーズッペは昨日の残りである。それでも野菜によく味が染みているから、昨日より美味しくなっていると思う。
* * * * * *
❀名前解説❀
カフェー→コーヒー
ケーゼ→チーズ
ケーゼトルテ→チーズケーキ
ラウケ→ルッコラ
バジリコ→バジル
トマーテ→トマト
ブーファラ→水牛の乳
モッツァレッラ→モッツアレラ
ヴルスト→ソーセージ
ヒューナーズッペ→チキンと野菜のスープ
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