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お店がお休みの日、朝早くから格好良いジルさんの初めて見る私服姿やエプロン姿を崇めたせいで、私の脳内はエライことになっていた。
しかも現在、目の前で私の料理を食べてくれるジルさんの優雅なカトラリー使いは、見事としか言いようがないほど美しかった。
ただ料理を食べているだけの姿に感動する日が来るなんて……! あ、指キレイ。
ジルさんの一挙一動に超反応してしまう自分を正直気持ち悪いな、と思う。
空腹のせいもあり、思考力が低下していたのも原因の一つかもしれない。
朝食を食べ、栄養が頭の方へと届いたのだろう、ようやく私の頭が動き出してくれた。
(……あれ? よく考えたら昨日の残りを公爵様にお出ししちゃった……?)
私は我に返ると、自分のやらかしたことを思い出してひーっとなる。
つい流れでこうなってしまったけれど今回用意した朝食は、よく考えたら公爵様に出していい料理じゃないと思う。
厳選した素材に手間ひまかけた究極の逸品を作り出す、お屋敷の料理長さんの料理に馴染んでいるジルさんが、私の素朴な家庭料理に満足できるだろうか。
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