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「えへへ。もう何度もやってますから、慣れですね。それじゃあ、寄植え作りを始めましょうか」 「ああ、よろしく頼む」  私は物置から持ってきた素焼きの鉢をテーブルに置いた。深みのある落ち着いた色合いのアンティークな鉢は、執務室に置いても違和感がない……と思う。執務室を見たことがないので勘だけど。 「これは良い鉢だな。とても味わいがある。使わせて貰って良いのか?」 「はい。ジルさんが気に入ってくれたのなら是非。ずっと物置に眠らせておくのも勿体ないですし」  素焼きの鉢を気に入って貰えたので、寄植え作業を続行する。 「じゃあ、この網を鉢底に敷いて、その上にこの石を鉢底が見えなくなるくらい入れて下さい。」  用意した石は一センチぐらいの粒のもので、水はけを良くするためのものだ。 「む。……これぐらいだろうか」 「はい、それぐらいで大丈夫です」  石を入れたら次はクラテール用に配合しておいた土を鉢に入れる。 「次は土を入れましょう。鉢の大きさに対して七割ぐらい入れて下さい」 「うむ。わかった」
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