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(まさかヴェルナーさんが伯爵家のご子息だったとは……! ジルさんといい、私の周りに高位貴族が増えてきたような気がするよ……)  そして着の身着のままやって来た私を見たディーステル家のお姉様方が、何故か私をドレスアップしてくれているのだ。 「──完成よ! すっごく良い出来!!」 「うわぁ!! アンさんとてもお綺麗ですわ!!」 「あらあら〜素敵じゃない〜? 舞踏会に連れて行ったらダンスの申込みが殺到するわよ〜?」 「えっ?! ダ、ダンス?!」 「あら、ダンス踊れないの? 練習する? ヴェルナーに付き合わせようか?」 「いやいやいや!! 大丈夫です!! そんな機会ありませんから!!」 「そう? でもこれから機会が増えるかもしれないわよ?」  お姉様方に手を加えられ、ドレスアップが完了した私はその出来栄えに驚いた。  いつも地味な服と髪の毛だった私が、今や何処かの貴族令嬢のように変身していたのだ。  そんな私を見たお姉様方から不穏な言葉が飛び出して、私はめちゃくちゃ焦ってしまう。 (舞踏会とかダンスとか平民の私には無縁なのに! なんて恐ろしいことを!!)
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