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プロローグ:憧れのキラキラを追いかけて
小さな頃からの憧れはキラキラの王子様。
周りがどんなに笑ったとしても、私の夢は白馬に乗ったキラキラの王子様のお嫁さんになることだった。
そしてそんな幼い夢が現実味を増したのは、私が五歳の時。
「こんにちはっ! 僕はカミジール・ル・シャトリエ、よろしくね。オリアナ嬢」
「よ、よろしくお願いします、カミジール殿下……っ」
私の前に突然現れた、金髪碧眼のまさに絵本の中から飛び出してきたかのような男の子は、このシャトリエ国の第一王子だったのだ。
“私が、婚約者候補……”
事前に父から説明されていたが、改めて目の前にするとそのキラキラ眩しいほどの理想の王子様にドギマギしてしまう。
代々多くの騎士を輩出してきたレリアット辺境伯家の長女である私に、そんなキラキラ王子様との婚約話が持ち上がったのだ。
四歳年上の王子様は、突然の理想形である存在が目の前に現れたことでもじもじと父の後ろに隠れてしまった幼い私にもとても紳士的で。
「怖がらなくてもいいんだよ、一緒に遊ぼう?」
ふわりと微笑み手を差し伸べてくれる。
反射的にその手を取ろうとした私だったのだが……
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