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私はなるべく義父と関わりを持たないように、避けながらの生活が続いた。食事、洗濯等は自分の分は自分でこなした。特に自分の洗濯物は、1度部屋に持ち帰り、義父がいない時に洗濯して自分の部屋で干した。
1度洗濯物を持ってくのを忘れた時があって、義父が自分の洗濯物と一緒に洗ってしまった事があった。その時私は義父に言った。
「私の洗濯物には触れないで下さい。自分の事は自分でやりますから」
私はキツイ言い方で、義父に言った。義父は1言すまなかったと言った。
私は、義父との二人暮らしがとても不快で、時々吐き気を催す事もあった。早くこんな家を出たいと、この頃から毎日の様に思うようになった。いっその事学校辞めて働こうかとも思ったくらいだ。
私の人生は、母の死によって大きく狂ってしまった。毎日がむしゃくしゃする。そんな日々が暫く続いたある日、私は高校に行く気にもなれず、街をぶらついてた。すると、近くに小さな公園があったので、そこへ向かった。公園に入りベンチで少し休もうと思い、公園の中を見渡した。ベンチは見つけたが、そこには金髪の見るからに悪そうな娘がいた。歳は私と同じ位に見えた。
私は、目を合わさずさっさとこの場を離れようと思った瞬間、その娘と目が合ってしまった。私はすぐに目をそらし公園を出ようと思ったその時、声をかけられた。
「ちょっと!人の顔見た途端逃げることないじゃん!」
「いや、別にそう言う訳では…」私は正直怖かった。体も少し震えた。
「まあいいや。ちょっとこっちおいでよ。丁度暇してたんだよね」私は逆らうのが怖くて、ゆっくりその娘の所へ行った。
「あんた高校生でしょ?学校は?」
「ちょっと色々とあって…。学校行く気になれなくて…。」
「ふーん。まあ、高校行ってない私が、偉そうなことは言えないんだけどね!」彼女は軽く笑顔で言った。
「学校サボってこんな所にいたら、親に怒られんじゃないの?」私は正直に言った。
「私、親居ないから…」彼女は意外そうな顔で言った。
「へー!じゃあどうやって生活してんの?」彼女はまるで私に尋問でもしてるかの様に、質問してきた。
「お母さんの再婚相手と生活してる。お母さんはこの間死んだんだ」
「そうなんだ!じゃあ本当の親父じゃないって訳だ!」
そう言って彼女はタバコをくわえて火をつけた。そして私にタバコを差し出して、吸う?と聞いてきた。
「タバコは吸った事ないから…」
「じゃあ吸ってみなよ!初めは咽てこんなの吸って何がいいの?って思うけど、慣れればなんてこと無いよ!タバコの旨さも分かるようになる」私は断ろうと思わなかった。むしろちょっと吸ってみたい、そう思った。
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