報告書

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「因果応報って言葉を知ってるッスけど、でもこれはあまりにもじゃないッスか?」  過去の資料を見ながら二三は言う。  たしかに空き巣だとしてもこれはあまりにも常軌を逸している。  発見された肉片の一部、というのは指や足などではない。 「グロいッスねえ」  現場の写真は、あまりに残酷だった。駆けつけた警官はこの異様さに吐いたという。  散らばる肉片は、全て引きちぎられていた。  子供がナイフとフォークを使って力任せに肉を引き裂いたような――……。と言うのは二三らしい分かり難い例えだ。 「もし、引きちぎるじゃなくて噛みちぎったとしてもこういうのって異様さですぐ分かると思うんスけどね」 「近隣住民の通報は「助けてくれ」と悲鳴を聞いたからだそうだ」  藤原の言葉に二三は聞いているのかいないのか「ふーん」だの「ほーん」だの言いながら読み進める。
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