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「それで、どうして今更そんな資料見てるんスか?」
「少し気になった所があって」
藤原はそう言って盗難品リストを広げた。
ブルーシートに広げられた様々な物の中に一つだけ、異様なモノがあった。
宝石・装飾品・ゲーム機の中の一つだけ性質の違うモノがある。
卓上ランプ。
「虫眼鏡貸してくれ」
「ルーペって言ってくださいよ」
二三からルーペを受け取り、藤原はそのランプを見た。
その卓上ランプはとてもシンプルな構造だ。傘の骨組みを思わせる黒いワイヤーとそれにぶら下がる小さなアクセサリーが数十個ぶら下がっている。
吊された幾つもの小さな白い物体。
何の変哲も無いように思えるそれが、どうも目に付いた。
「このランプ、写真にはあるッスけど、返却リストには載ってないッスよ」
「となると、聞くのは一人か」
そう言って部屋を出て行ってしまった藤原の姿を見ながら二三は首を傾げる。
「それにしてもなんで急に二十年前の事件なんだぁ? ワカンネー」
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