淫愛

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周りと同じような意見を発し、管理職が最後にまとめて会議は終わった。 精菜こと、皆崎精菜は今年28歳になる。 アラサーも間近という現実を受け入れつつ、健康食品の企画部で働きながら年齢を重ねた。20代後半を過ぎてから、愛がなくても情熱だらけで年上の男に淫らにされたいと願望が強くなった。 私が異常に愛している男は、企画部部長の二回り上の54歳。 父親より二つ下と知ったときは、驚きはしたけど恋愛に年齢なんて関係ない。 「今井さん、お疲れ様です。よかったらコーヒーでもどうぞ。」 今井哲也は、私が淹れたコーヒーを手に取り、 「ありがとう」と呟いた。 確か今は結婚はしていなくて、10年前に離婚をしたと本人から聞いた。 子供はいて養育費を払いつつ、生活をしているらしい。 コーヒーを机上に置くと、今井さんが顔を上げて私を見た。 「後で話があるから、さっきの会議室で。10分後には時間が空くから」
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