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最悪の事態が胸をよぎる。
「どっちにしてもここは行き止まりだし、戻るしかないよね」
佳奈の言葉にようやく全員が頷いた。
ここで立ち止まっている暇はない。
朝が来るまでに慎也の首を探し出さないといけないのだから。
「行こう」
明宏はなれない様子でバッドを握りしめて3人の前を歩き出したのだった。
☆☆☆
5人で化け物と遭遇した道まで戻ってきたとき、そこに大輔と化け物の姿はなかった。
「嘘、どこに行ったの!?」
春香が悲鳴を上げる。
「落ち着いて春香。きっと、大輔が化け物をひきつけてくれたんだよ」
佳奈は春香の腕を握りしめて言った。
慰めじゃなく、そうとした考えられなかった。
きっとあの後化け物は再び起き上がったのだろう。
それを見た大輔は化け物が私達の方へ来ないように、おびき寄せてくれたんだ。
「あしあとが完全に消えてる。ここは一本道だし、壁を乗り越えて探すしかなさそうだな」
地面を確認していた明宏が苦々しく言った。
壁を乗り越えることは難しそうだから、どこからか回り込んで探すしかなさそうだ。
「民家の中は?」
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