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何で?
梨花のマンションは2LDK。他の住人さんと顔をあわせることもほとんどないけど、不動産屋さんに言われたことを思い出した。立地もいいし若いご夫婦さんに人気のマンションですよ…と。
幸せのお裾分けをいただけそう、私も幸せの仲間入り…、ウキウキしながら契約したのに…。呆然と部屋を見渡した。
若いご夫婦か…、確かにそうだな、私ひとりで住むには広すぎるな、梨花は部屋を見渡した。引っ越そうかな。
ふと油断したのか再び涙が出てきた。梨花は目の前のティッシュで慌てて涙を抑えた。
散歩中には止めれたのに…、もうダメだ…止まらない。
しばらくティッシュで戦っていたが何か面倒くさくなってきた。
いいや、泣いちゃえ…、梨花は思いっきり嗚咽を出しながら泣き出した。涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった。
『もう、何で、分からない。知らない。酷すぎる。私ははどうしたらいの。あっ、もう、こんな広いマンション借りるんじゃなかった』口から悔しさの声が次から次へと出て止まらなかった。
気付くと泣き疲れてソファで眠っていた。
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