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序章
真っ白な雲と青い空、海がきれいだ。
ヒロヤマガタの絵が浮かんでくる。
そんな景色を中庭で眺めている成徳の背後から「お父さん」と声がした。
振り向くと、ウェディングドレスを着た静美が立っていた。
成徳は驚いて「忠行くんのところに行かなくていいのか」と問いかける。
「彼は自分の両親や親戚たちと話しをしているわ」
静美はそう言って微笑んだ。
「そうか」
成徳もつられて微笑む。
その時、二人の間を風が吹き抜けた。その風は心地良く、父と子の新たな門出を祝福してくれたかのようだった。
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