最終章 一番好きな人

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『全く、どいつもこいつも……勝手にしやがって』  如月の姿が完全に見えなくなったことを確認すると、自分のすぐ近くで床の掃き掃除をしていた柚原凜を呼び止め、 「柚原。床掃除は、俺がやるから、お前は、如月を手伝え!」 「解りました」  柚原は、樹の言葉に、何一つ疑問を持つことなく、彼に箒を渡すと、すぐさま、作業に取り掛かり始めた。  そんな柚原の姿に、心の中で「おい!」と軽くツッコミをいれながらも、樹自身も床掃除を始めた。 「七橋、これでよかっただろう?」 ★  店長。  連絡が遅くなってすみません。  白藤国際空港に行く為に、いま、華水駅から新幹線に乗りました。  どうしても、今日、会わないといけない人がそこにいるんです。  そして、その人と伝えないといけないことがあるんです。  店長。  罰なら受けます。  だから、どうか、今日の私の行動を許してください。  
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