◆憧れの人と

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◆憧れの人と

 僕にはずっと憧れている人がいる。  アプリで動画を上げているハルさん。  動画といってもあまり大きな声で言えるものではない。  なぜならハルさんが男の人とエッチしている、ハメ撮り動画だからだ。  ゲイである僕は、彼氏がいない歴=年齢で誰とも経験したことがない。  でも1人ですることはそれなりにあって、そういうときはたいていハメ撮りを見ながらしている。  そんな時にみつけたのがハルさんだ。  最初は顔が見えない動画を見ていたけれど、顔が見えなくても雰囲気とか声がものすごくかっこよくて、課金したら長い動画と顔を見れるサイトの存在を知って、今では毎月課金して動画を見ている。  この人とエッチがしたいと思い続けることおよそ1年。  なかなか勇気が出なかったのだが、20歳になった記念に思い切ってメッセージを送った。  ハルさんから返事がきた。  ついに憧れのハルさんに会える。  そしてエッチできる。  期待に胸を膨らませて、待ち合わせ場所に向かった。  待ち合わせはカフェだった。  もう来ているというハルさんからのメッセージを見て、慌てて店に向かう。  店に入って、ハルさんを探す。  いた……。  本物のハルさんだ!!  あまりにも神々しくて倒れそう。  コーヒーを注文してハルさんの元へ向かう   「あの、ハルさんですよね?」  スマホを見ていたハルさんが顔を上げて僕を見た。  目が合った――。  カッコいい。 「うん  ゆうくん?」 「はい」 「写真よりかわいいね  座って?」  ニッコリと微笑んで座るように勧めてくれた。  正面から見るハルさん……もちろんカッコいい。  緊張し過ぎて何も話せない僕にいろいろと話を振ってくれた。
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