◆好きな人を想って

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◆好きな人を想って

 ハルさんを見送って、大きく伸びをする。  もう少し寝ようかな。  ハルさんの来ていた服を持ってベッドに入る。  クンクンと匂いを嗅いだ。  ハルさんの匂い。  香水をつけているのか分からないけれど、いつもとてもいい匂いがする。  ハルさんが僕を好きだと言ってくれた。  初めてできた恋人がずっと憧れていた人だなんて、こんな奇跡が起きると思わなかった。     僕なんかのどこが良かったんだろう。  分からないけれど、嫌われないように頑張らなきゃ。  今日はするのかな。  昨日いっぱいしたからさすがにしないか。  金曜日の夜も約束してるし。  ハルさんの本気ってどんなのだろう。  今までのが本気じゃないっていうのが信じられないんだけど……。  ハルさんの部屋にも行ってみたいな。  いつも来てくれるから。  今度お願いしてみよう。 「ハルさん、好き……」  声に出して呟くと、とても恥ずかしくなってしまった。  さっきまで隣にあった温もりがなくなって寂しくなってくる。  ハルさんの服を顔の近くに置いた。  匂いを嗅いだら余計に寂しくなってきたから抱きしめることにした。     少し眠くなってきた。   早く夜にならないかな……。  ハルさんの事を想いながら、僕はゆっくりと瞼を閉じた。
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