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序章
夕日で赤く色付く街並み
少女2人は楽しげに会話をしていた。
「アオちゃん、明日は隣の村まで遊びに行こうよ」
ツインテールの少女は古い喫茶店の前で立ち止まり、アオと呼ぶ少女に向かってふわりと微笑んだ。
アオが了解の返事をしようと口を開くが
ツインテールの少女_ヒイロが遮ってしまった
「あれ?ここの路地に道なんてあったっけ」
少しばかり面を食らったが、アオはヒイロの言葉をすぐに理解した。
「あ、本当だ」
「いつもは白い壁だったのに・・・」
2人は学校に通うため毎日ここを通っていた。
見慣れているはずの通りに、突然知らない通路が現れたのだ。
不思議なことこの上ない。
「うわー、先が真っ暗で全然分かんない!」
ヒイロは通路の入り口に近寄っていた。
「ちょっとヒイロ、気をつけてよね〜!」
その時だった
突如周りの電気が消え、
視界が真っ暗になる。
が、すぐにまた明るくなった。
街灯の明かりでできた影は、
アオ、
1人だけのものだった。
「・・・え?」
「ヒイロ?」
そこで気がついた。
さっきまであった、あの気味の悪い通路がなくなっているのだ。
そこには何もなかったように壁が出来ていた。
いつも通りの苔の生えた白い壁。
辺りはすっかり日が落ちてしまっている。
先ほど起こった出来事にアオは恐怖を感じ、その場から逃げ出した。
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