ギャルと市松ちゃん

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中間試験まで二週間を切り、口々に「やべぇノー勉だわ」と聞かれてもないのに言い出すようになった七月。  そのため、自然と部活を切り上げる時刻が早まり白雪と星宮は不満そうだったが、虚偽申告でない「ノー勉」の二人は確実にこの措置に感謝した方がいい。だって、夏休みに三者面談ありますしおすし。  そんな俺の心配をよそに、部活後だってのに無駄に元気な二人は。 「今日の鍵当番じゃんけんするか」 「当番なのにじゃんけんで決めるって……」 「ランダムじゃねぇか」  文句を言いながらじゃんけんをすれば案の定。見事にパーを出し一人負けした俺は、渋々体育館の鍵を職員室に届けることになった。 「紬ー、俺ら校門前で待ってるから早く来いよ。んでもってそのままスポセン行かね?」 「ああ。じゃあ五分くらいで戻るわ……て試験勉強は?」 「しない! あ、ついでにジュース買って来てくんね? ヨーグルト味のやつ」 「お、おう」  まぁ、どうせ白雪(アホ)のことだ。いつもの一夜漬けで赤点ギリギリを取るのだろう。俺はアホに呆れつつも足早に職員室へ向かった。  顧問に鍵を返却し、職員室前の拾得物置き場をちらと見ると、プラカード片手にこちらを見つめてくる市松人形。
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