小川さくら編

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小川さくら編

私は小川さくら。私は孤児だった。ある時、子供のいない夫婦の養子として歓迎された。しかし、まもなくして夫婦は実の子供を授かった。だが、残念なことに妹は生まれながら体が弱く両親は全ての不幸を私のせいにした。食事をまともに与えず…罵られ殴られ。私の人生の全てを妹のために使うべきだと教えられた。しばらくして、妹は、ある本を読み始めた。その本は「ヒロインは5人の男達に愛される」という特に面白みの無い本だった。だが、妹は、ワクワクして本の話を聞いていた。そんな表情を見るたびに本を読む手を止めたくなった。妹は、ある日突然死んだ。だが、その死に顔は笑っていた。その時、私は妹を妬ましく思ってしまった。それから、すぐに家族との縁が切れ、私は自殺した。だって、ズルかったんだもの。妹は家族に愛されていたから。それに比べて私は、自分の自由が許されなく、ずっと1人ぼっちだった。しかも、大嫌いな妹のために毎日世話をしていた。誰も私が居なくなっても困らない、そんな生活はもう嫌だもの。 目覚めたら、私は高級そうな部屋の中のベッドにいた。そしたら、家族はそれに気づいたのか、とても喜んでいた。 あれ?この顔、見たことある!かつて妹が好きだった、「ヒロインは5人の男達に愛される」という本に出て来たヒロインの兄だ!…もしかして、私、ヒロイン!?そう思い、鏡を侍女に持って行かせる。 …まじか!?私、ヒロインに転生してしまった! かれこれ、2ヶ月たった。私は、この生活、良いかもしれないと思って来た。家族に愛され、虐待されず、食べ物にも困らない。そして、自由が許される。前世では辛かった分、今世では神様が幸せにしてくれたのかもしれない。あと、このまま行くと王子達に溺愛される日々だ。 シナリオ通り学院に入って、王子達に溺愛された。たがしかし、私は王子達を好きにはなれなかった。だって、家族の愛は当然だと思っているから。お金を無駄遣いしているから。その男達よりも私はある男ジルに惹かれていった。そのジルは攻略対象じゃないのにカッコよくて、テストも毎回3位。それに、誰に対しても平等に扱い、無駄遣いしない。私の理想の男だった。だが、毎日ある女が一緒にいる。その女はまつりという伯爵令嬢の女だった。私は、攻略対象5人組を使い、うまく仲を引き裂こうとしたけど、中々上手くいかなかった。ある日、私はまつりに言った、「あなた、ウザいのよ!今世くらい私の好きにさせてよ!ああ、腹立たしい。まるで私の妹まつり(前世の名前)みたい。」すると、まつりは言った。「あなた、もしかしてさくら(前世の名前)姉さん?」私はすぐさま返事を返した。「あんた、もしかしてまつりぃ!?あんたのせいで私の人生はサイヤクだわ。家族には妬まれ、生涯1人だった私の気持ちがわかる?」まつりは言った。「はぁ、あんたこそ私の気持ちがわかる?生まれてから、ずっと体を動かせず病院という狭い空間に閉じ込められる気持ち。家族からの愛だって、いつあんたに奪われるか不安だった気持ち!まぁ、あんた行動力がなくって奪われなかったけど。でも、あんたは体が動き、家族と過ごす時間は長かった。あんたが、家族と関わろうとしたら愛だって奪われていた。友達だって作ろうとしたら作れたあんたの事が羨ましくってしかたがなかった!そしたら、神様がこの世界にヒロインとして転生してあげるって言ったとき、どんなに楽しみしていたか。それなのに、ヒロインに転生出来なかったし、好きだった攻略対象はあっさりあんたに奪われるし、そんなあんたが私の好きな人を好きになって、攻略対象の好意を利用するし。私達に仲を引き離そうとするし。私がどんな気持ちだったか分かる?」私は何も言い返せなかった。
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