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恐怖の旋律
素っ裸で緊縛されている田代香苗の目の前で入谷健吾の喉を切り開く。
裂かれた気管に血液が流れ込むと、入谷は声にならないうめき声を上げた。しばらくその様子を香苗に見せた後、頚動脈を掻き切った―真っ赤な動脈血が噴水のように噴き出して香苗の顔を染めていく。
たった今、人を殺したというのに、思ったより冷静でいられる自分に少し驚いた。
泣き叫ぶ香苗の頬に往復ビンタを貼ってから、血塗られたナイフの切先を彼女の瞳に向ける。
「黙れ!」
香苗が失禁する―しばらくして静かになった香苗の髪を掴んで目を合わせる。
「余計な事を言わなければ、約束通りお前は殺さない。だがもし……」
「う……う……」香苗は何度も何度も頷き、言葉にならない声を発した。
「もし、約束を破ったら私は必ずお前を殺す。仮に私が捕まったり、死んだりしても、必ず殺す。他の誰かがお前を殺す」
香苗の口に噛ませておいたボールギャグを外すと、彼女は泣きながら訴えてきた。
「絶対、絶対誰にも言わない。本当に、本当にごめんなさい―」
「もうすぐ警察が来るからこのまま待て」
香苗の頭を優しく撫でてから再びボールギャグを噛ませ、その場を後にした。
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