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そのあんまりな理由に、私の目頭がじわりと熱くなり、ゆらりと視界が滲む。
「っ、ど、して……っ!」
「嬉しいもんは嬉しいんだから仕方ないだろ」
抗議したいのに上手く言えず言葉を詰まらせていると、トモが私の隣にしゃがみこんだ。
私ではなく雑草に目線を向けているトモの横顔が、心なしか赤く染まっていてドキリとする。
「動揺して心が乱されてるのって、俺のこと意識してるからだろ」
「え……」
「そんなの、嬉しいに決まってる」
手持ちぶさたなのか、目の前の雑草をぶちぶちと引っこ抜きながらポツリと呟かれるその言葉にぽかんとしてしまう。
(意識、してるから? 私が?)
――そうかもしれない、と思った。
苦しくて辛いのも、息苦しいのも。
(全部全部、意識してるから……)
だって元々好きだったのだ。
居心地がよくて、一緒にいるのが楽しくて。
失いたくないと思うほど、トモの存在が私の中では大きな存在で。
友達として好きだったけれど。
ずっと友達としてだと思っていたけれど。
「また逃げるかもしれないよ」
「いいよ。追いかける覚悟なら告白した時からある」
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