揺れるポピーに気持ちを重ねて

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 講義時間の90分がやたらと長く感じ、そしてやっぱり息が詰まる。  出席さえしていれば単位は貰えるのに、そんな授業でもちゃんとノートを取り教授の話に耳を傾けているトモをチラリと盗み見た私は、気付かれないようにため息を吐いた。 (本当、なんでこんなことになっちゃったんだろ)  トモと出会ったのもまさにこの講義だった。  話しかけたのは私から。  だって気になったのだ、『出席さえしていればいい』この講義に必死でノートを取っていたトモが。  為になる? なんて、今思えばなかなかに失礼な言い回しで声をかけたが、そんな私に苛立つこともなくトモは『面白いよ』と教えてくれた。 (結局いまだにその面白さはわからないけれど)  それでも、トモのその穏やかなところが居心地良くて、それからなんとなく一緒にいることが増えた。  親しくなれば共通点も案外見つかり、映画の好みだとか食事の好みだとかで話題も盛り上がって。 (最初はただの真面目クンかと思ったのに)  気付けば互いの家で延々と漫画を読むだけの日々を過ごしたりもしたのに。   「なに、俺の顔になんかついてる?」
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