揺れるポピーに気持ちを重ねて

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 嘘を吐いたことに対する罪悪感と、そして近くにトモがいないことで落ち着いた心臓に安堵する。 『こんなのよくないよ』  私の中の私が首を振り 『でも、仕方なくない?』  なんて、もう一人の私が肯定する。 「結局は、甘えだよなぁ……」  付き合うことを了承したくせに、上手く出来ない私はいつも通り振る舞ってくれているトモすら避けて、自分のことながら情けなさすぎて泣きそうだった。 「メグ、今日何にすんの」 「えっ!? あーっ、と……さばの味噌煮定食」 「美味いもんなぁ、じゃあ俺は豚のしょうが焼きにするかな」  待ち合わせている訳ではないのに、いつもの習慣で合流してしまう。  別に嫌だとまでは言わないが、やっぱり私は少し気まずいままで。 「なぁ、一口交換しようぜ」  トモが口にしたその提案に、じわりと汗が滲む。 (別に、いつものことじゃん)  学食メニューの交換なんて、友達だったころから何度もしていた。  むしろ私から提案してきた。  付き合い始めた今なら、尚更おかしなことではなく、むしろ付き合う前からしていたのだから断る方がどうかしてる。
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