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山田さんと二人で空を見上げた。
誰か助けてと叫びたいが、子供が不安になるだろうからできない。
街中とは思えないほど美しい空をぼーっと眺めていると、きらりと流れ星が走った。
私たちは無我夢中で祈った。
せめて家に帰らせてほしいと。
残念ながら私が2度、遅れて流れ星を見た山田さんは1度しか願い事をいうことができなかったが、神様は私たちを見捨てていなかった。
まったく同じ願い事をしたおかげで、ふたりで3度とカウントされたようで願いがかなった。
自転車で巡回中だったお巡りさんが気づいてくれて、私たちは泣き崩れた。
暗くなっていたので私も帽子やサングラスをとっていたが、やけどの跡がくっきりと残っている。
振り返った私の顔を見て、お巡りさんは悲鳴を飲み込んだ。
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