ずっと側にいるからね

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 山田さんは1人で暮らすのが怖いと震えていた。  だからと言って何事もなく過ごせている、卯月くんや睦月くんを巻き込むことはできないという。  子供だけでも守りたいという気持ちは、私にも十分理解できたので、しばらく我が家に泊まってもらうことにした。  私だって相談相手になる人がいたほうが安心できるのだ。  遠くにいる夫たちは笑うばかりで何もしてくれないから、自分たちのことは自分たちで守るしかない。  その日の夜、私たちは恐怖を分かち合うために話をした。  子供の前では冷静を装っていたが、怖くて眠れそうにないのだ。  しばらく長男には幼稚園を休んでもらうことにした。  幼稚園を長男から取り上げるのはかわいそうだが、これ以上ケガをさせたくないのだ。  家にいたところでケガの危険はあるが、少なくとも家なら見守れる。
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